ベナンの農業大学校
なんと訳せばいいのか分かりませんが、4年制の職業訓練校です。Lycée Technique Agricole リセテクニックアグリコールと言い、LTA(エルテーアー)と略されます。中学を卒業してから入学することができ、この学校を卒業し、大学に進む人もいるそうです。タイトルに農業大学校と訳して書きましたが、日本の農業大学校より遥かに大学寄りです。座学いっぱい。頭いい。学生のフランス語レベルが高くて何言ってるか分からん。LTAはベナン国内に10ある公立校。ちなみに日本の公立農業大学校は42校。2年制で実習いっぱい。
さて、先日ジュグー市内にあるLTAの見学に2回行ってきました。1度目は1人で、2度目は野菜栽培の先輩2人と一緒に行きました。(見学日5/9,11・雨期入りました)舗装道路沿いにあるので、「バリエヌのLTA」とタクシー運転手に伝えればOK。実際はバリエヌより先の村で、ジュグー中心部から約16キロ、片道500Fcfa(100円)です。
こちらが入口。あれ、看板にはLycée Technique Agropastoral と書いてありますね。誰もその名前では呼んでいなかったけど、正式名称なのかな。近くにいた職員に話しかけられ、入って正面に見える建物に案内されました。職員室がある建物でした。とりあえず自己紹介して、見学したいと伝えると喜ばれました。日本だったらアポ無しでいきなり訪れて歓迎されることはほぼ無いと思うけど、ベナンでは違う。やりやすい。
この学校には4つの専攻があり、農業、畜産、林業、養殖。最初の2年は全般的に学び、後半2年は専攻を選んで学ぶそうです。野菜が専門だと話すと、農業科の先生が農場を案内してくれました。
彼はベナン中部の出身で、アボメカラビ大学を出たらしい。ベナンの東大。右側に写っているのはトウモロコシ。今年2月(3ヶ月前)に播種したもの。
こちらはレタスの苗床。ベナンで苗と言うとだいたいこんな感じ。ベナンのレタスは結球しないタイプ。
苗床には屋根を付けることも。
定植後のレタス。千鳥植えをベナンで初めて見た。苗を作るなら、もう少し大きくしてから植えたらイイのになぁ、と農家さんのところでも思う。定植作業やかん水が雑なので活着率が低い。
オクラ。マルチしてる。農家さんでマルチをしている人は1人しか見たことがない。マルチ普及活動しようかな〜。
コンポスト。化成肥料は使わず、コンポストのみで栽培しています。
キャッサバ。5月頭に植えたばかり。
ヤムイモの畑。
農業科の畑は全部で10haあり、そのほとんどをコットンと落花生が占めるようです。今は時期ではないということで、広大なコットン畑と落花生畑を今度見にこようと思います。
シアバターの木がありました。これは実。シアバターはフランス語でle beurre de karitéと言います。ベナン北部に多い。
中身を出して割ってみるとこんな感じです。これを女性たちが伝統的な方法で油を取り出しているのです。見てみたい。
林業科ではカシューとアカシアの苗を作っていました。1つ200Fcfa(40円)で売るそうです。写真はアカシア。
畜舎も見せてもらいました。食用ウサギ。かわいい。
トリは数匹の鶏と七面鳥、ホロホロ鳥のみ。1月にたくさん売れるから、その時期に合わせて増やしていくそう。
何台かトラクターがありました。コットンや落花生の大規模な畑で使うのかな。
農場の見学が終わり、加工センターへ。ベナン全土で人気の落花生のお菓子・クリクリを作っています。
色々なジュースもありました。写真はマンゴーピューレ。
想像していたよりしっかりした学校だったというのが私の感想なのですが、案内してくれた先生曰く「この学校にはプロジェクトやNGO等の支援が入っていないからお金がない。灌漑設備や農業資材も揃えることができない。ナチテングー(ジュグーより北の都市)のLTAは支援が入っているからめっちゃ綺麗なのに…」と。確かに近くにそういう場所があると比較してしまうのでそう思うかもしれない。
今回2日かけて見学させていただき、なんとなくベナンの農業大学校がどんな所なのか知ることができました。今回見ることができなかった作物もあるので、今後は定期的に来てみたいと思います。ベナンの農業学んで帰ろう。