旅の記録:パウー(Pahou)
遅くなってしまいましたが、2018年3月20日の出来事。コトヌーから西に車で30分行ったところにあるパウーという街へ行きました。助産師として保健センターで活動する同期は3代目のボランティア。ベナンの協力隊は基本3代までなので、彼女が日本に帰っても後任は来ません。
さて、今回はパウーの同期隊員と一緒にコトヌーから日帰りで行ってきました。このところ保健省はストライキが多く、週に2度しか開いていない保健センターがほとんどです。彼女は保健センターでの活動の傍ら、週に1度小学校で文化交流的な授業をやっているので、今回はそれを見学するためにパウーを訪れました。パウーはびっくりするくらいコトヌーから近いです。車で30分。お昼頃に隊員ドミトリーにタクシーを呼び、エトワールルージュへ。(この距離は歩けるので時間と気力がある時は歩いた方が節約になります。)そして、エトワールルージュから乗合タクシーでパウーへ。普通サイズのタクシーなら500Fcfa(100円)、でっかいタクシーなら400Fcfa(80円)です。
あっという間に到着し、昼食をとり、同期の家へ。すると同期「うわあああん」何かと思ったら「隊員ドミトリーに家の鍵を忘れた。」と。自分の任地に来て自宅に入れないとは…
学校の授業までは時間があるので、彼女の配属先であるパウー保健センターへ。
予防接種をする場所。ストライキ中で週2日しか開いていないため、この日はセンター内にほとんど人はいない。
今日の授業の準備中。
保健センターの建物。立派!職員の方が数人来ていたのでお会いしました。ジュグーから来たというと、1人の女性がジュグー出身らしく「ナスバ(ジュグーの現地語で「こんにちは」)知ってるの?」と言われ、一通り現地語で挨拶。まさかこんな所でデンディ語を話すとは…
さて、保健センターで昼寝もしたところで、いざ小学校へ。私立の学校。校長先生は愉快な女性。
この日は日本の歌の紹介。校長先生と担任の先生が授業を手伝ってくれて、歌の練習。
ウルフルズのバンザイ〜好きでよかった〜という曲。「ばんざーい!」がみんな楽しそう。
1時間ほど歌い、授業は終了。先生たちにお礼を言って、子どもたちと帰ります。(保健センターのカウンターパートの子どもたちがこの学校に通っている。)何も手伝えなかったけど、同期が元気に活動している姿を見ることができたのでよかったです。次回は家に遊びにいこう。
旅の記録:サケテ(Sakété)
先日平成27年度4次隊の皆さんが日本へと帰っていきました。コトヌーの中華料理店で送別会があり、みんなで空港まで見送りにいきました。無事に日本に到着したようでなによりです。お世話になりました。ありがとうございました。
首都に上がることはあまりないので、ついでにコトヌー周辺の任地にいる隊員のところに遊びにいきました。長くなりそうなので分けます。まず、サケテ編。サケテには現在2人の隊員がいます(小学校教育・野菜栽培)。野菜隊員の先輩がサケテの野菜隊員のところに行くということで便乗させていただきました。ベナンの野菜隊員全員集合。
コトヌーからの行き方は2つ。
①ダントッパからサケテ行き乗合タクシーに乗る(人数が集まらないと出発しないので、朝など人が集まりやすい時間は比較的早く出発できる。3時間とか待つこともあるらしい。)
②ダントッパからポルトノボ行き乗合タクシーに乗り、ポルトノボから乗合タクシーでサケテへ。(コトヌーからポルトノボは人の往来が多いので、タクシーはほぼ待たずに出発する。)
どちらが早いかは運次第かと思いますが、今回は先輩隊員がいつも使っているという②の行き方でサケテへ行きました。料金はコトヌーからポルトノボが500Fcfa(100円)、ポルトノボからサケテは700Fcfa(140円)。
コトヌーからポルトノボへ。1時間くらいでした。こんな感じの大きいタクシー。実際の写真は撮り忘れたので貰い物です。
ポルトノボからサケテへ。タクシーぎゅうぎゅう詰め。1時間かからずサケテへ到着。タクシーを降りてビックリしたこと。ムスリムがたくさんいる!ベナン南部はキリスト教、北部はイスラム教という勝手なイメージを持っていたので驚きました。サケテはクリスチャンとムスリムの割合が半々くらいのようです。
先輩隊員の家へ行くと、同じ敷地内で結婚式が行われていました。
結婚式の時は車を飾ります。水汲みする少年が対照的、、
午後、先輩隊員の知り合いの農家の方が畑へ連れていってくれました。ベナンに来て初めて竹を見た。たけのこ!私はきのこ派!
カカオの苗を作って販売しています。1つ250Fcfa(50円)だったかな。
ピュアウォーターと呼ばれる袋詰めの水のゴミを再利用しています。
カカオの実を発見した模様
カカオの花
カカオの実(カカオポッド)
実を割るとこんな感じ。種子は粘り気のある白い何かに包まれている。この白い部分を口に含んで舐めると、甘酸っぱくておいしい!でも歯を立ててかじっちゃうとカカオ豆が苦い。まずい。白い部分はカカオパルプと呼ばれるもので、なんと日本にカカオパルプのジュースが飲める店があるらしい。
さて、大事なのはカカオパルプの中身の種子です。カカオパルプを舐め終わったからと言って、そのへんに吐き出してはいけません。回収します。
これにバナナの葉を被せて、数日間発酵させます。この発酵の過程でカカオパルプは溶けるらしい
発酵が終わり、乾燥させるとこうなります。豆っぽい。インスタ映え。
殻を割るとこうなる。すでにチョコレート感。
かじってみた。ビターチョコレート!私の母がよく買う全く甘くないあのチョコレートの味がする!ベナンにはチョコレート工場は無いので、カカオ豆は輸出されています。この農家はカナダやイタリアなど世界各国へ輸出しているようです。
彼の農場はカカオだけではありません。カカオは日陰を好むので、高い木が一緒に植えられています。これはアボカド。日本では温室の中でしか見たことがないので、こんなに大きなアボカドの木を見るのは初めて。男性が木に登り、木を揺らしてアボカドをガンガン落とします。
落ちた衝撃でキズだらけだけど、、みんなで拾って収穫。
パイナップルもあります。
分かりにくい写真で申し訳ないのですが、左右で株間に違いがあるのがお分かりでしょうか。左がナイジェリア向けパイナップル。株間45cm×90cm。収穫時重量800g〜1kg。右がベナン向けパイナップル。株間30cm×30cm。収穫時重量200〜300g。各国のニーズに合わせて作っているようです。
この日はパット(ベナンで1番食べられているトウモロコシ粉の練り物)や肉を食べて、ビールを飲んで就寝。
翌日、先輩がお世話になっている農家さんのところへ。写真はバイクでナイジェリアにガソリンを仕入れにいく人。ナイジェリアが近いので、こういう人をたくさん見かけました。事故ったら爆発しそう。危険すぎる。
農家さんの家に到着。アブラヤシ。ジュグーでは見た事がなかったので新鮮。日本でパーム油は加工食品に多く使われていたり、バイオマス燃料として使われたりしていますが、ベナンでは食用油として家庭で使われています。
手で実を外していきます。チクチクする。
ドラム缶に入れます。
茹でます。
その後、この機械を使って潰して、ベナンでよく売られている未精製の赤いパーム油になるそうです。残ったカスはもう一度潰して石けんの材料として使い、最後に残ったカスはニワトリの餌にするということです。
さて、ベナン南部のヤシが豊富な地域では、古いヤシの木を倒して蜜を集めて発酵させ、お酒が作られています。その名もソダビ。この農家さんはソダビの製造・販売も行っているということで、2度目の蒸留をするところを見せていただきました。
左のタンクに1度蒸留したものと水を入れ、きっちり閉め、火にかけます。蒸気が管を通り、水の入った2つの壺の中で冷やされます。
火をつけて約30分、出てきた!早速飲ませていだきました。ベナンに来て初めてのソダビ。強い(笑)
この後薬草に浸けられ、茶色になります。これはコトヌーのスーパーで売られていたソダビ。50ml・1000Fcfa(200円)。
任期残り半年の先輩隊員、育苗にセルトレイの使用を勧めています。この日はトマトの種子を蒔きました。上手くいくとイイなぁ。
先輩の家へ帰る途中で見つけたピュアウォーター製造機。
サケテでは普段任地ジュグーでは見られないものをたくさん見る事ができ、とても勉強になりました。案内してくださった先輩、ありがとうございました。
畑が沈んだ
少しばかり旅に出ておりました。旅の記録は書き途中ですので少々お待ちください。最近インターネットがとても不安定で文字は送信・受信ともに可能ですが、画像や動画はとても時間がかかります。ブログも遅れ遅れでの更新になりそうです。
さて、旅行中、ジュグーの天気が気になるので同任地の先輩隊員に雨が降ったらLINEをしてほしいとお願いしていました。私が不在の間に3度激しい雨が降ったようです。畑に恵みの雨が降ったかと喜んで、昨日は11日ぶりに畑へと向かいました。すると、、
水浸し…
奥の池のようになっている所は、よく子どもたちがサッカーをしていた場所
足が埋まる…
激しい雨のせいで野菜たちは泥まみれ(モロヘイ
ヤ)
トウガラシは根が腐れてしょんぼり
井戸いっぱいの水
私の空芯菜…ニンジン収穫しといて良かった
腐ったダイコン
なんだかすごく悲しかった。全て手作業で、毎日休まず、たくさん時間をかけて野菜を育ててきた農家の方々。この4ヶ月、一番近くで見てきた。ここは低湿地帯だから、乾季でも井戸が枯れず水やりができるけど、雨季には水浸しになってしまうとは前々から聞いていた。また、例年4月くらいから雨が少しずつ降るとも聞いていた。まだ3月、、気候変動って言葉はベナンでも言われている。乾季と雨季の長さが変わってきているのかもしれない。どうなることやら。。朝から一人しょんぼりしてしまったけど、久しぶりに会った農家の方々は水浸しになった畑でいつものように働いていた。「おかえり。コトヌー行ってたんだってね。元気かい?」と言ってくれた。雨のことを聞くと、苦笑いで「野菜がやられちゃった」と。それでも、泥にまみれたトウガラシを収穫して洗って市場に出したり、畝を高くしてキャベツを定植したりしている農家さん。私も一緒に頑張らなきゃ!
大雨の後に植えられたキャベツ。高畝。