ハナノサキカタ(旧名:道産子、ベナンへ行く。)

ベナン・ジュグーでJICA青年海外協力隊・野菜隊員として活動。(2017.10〜2019.10)

ベナン生活1年。中間報告会。

ベナンに到着したのが2017年10月4日。あれから1年が経ちました。赤土の道やバイクタクシー、ガソリンはビン売り、建築の足場は木、荷物は頭の上、壊れかけのタクシーやバス、水シャワー、主食は謎の白い物体、挙げればきりがないですが、何もかもが新鮮で、珍しくて、驚きの連続でした。コトヌーでの1か月の研修を終え任地に配属されてからも、この別世界での生活に慣れるにはとても時間がかかりました。慣れているような気がしても身体が追いついていなかったり、外に出るたびにストレスを感じていたり、よく1年頑張ったなと思います。

この1年何をしていたか簡単に書くと、

2017/10 ベナン人家庭でホームステイ3週間しながらフランス語と現地語(デンディ語)の勉強

2017/11 任地配属。農家さんと働く。

2017/12 農家さんと働く。

2018/01 農家さんと働く。2018/02 隊員総会。視察の旅で母・姉・弟がベナンに来る。

2018/03 農家さんと働く。雨により畑が沈んでいった。

2018/04 国内旅行。

2018/05 国内旅行。

2018/06 国内旅行。

2018/07 モロッコ旅行。

2018/08 隊員総会。国内旅行。

2018/09 国内旅行。大好きな先輩隊員が帰国。

2018/10 乾季到来。これからまた働きます。

簡単まとめると半分働いて半分遊んでたって感じですね。畑が沈んでからはだいたい遊んでましたが、全く活動していないわけではありません(笑)

 

1年経ったということで、先日農業省ドンガ県事務局にて中間報告会をしてきました。中間報告会はJICAのスタッフが来るオフィシャルなやつです。配属先の職員6名と農民グループのまとめ役が来てくださり、また、5名のベナン隊の方々も来てくれました。プレゼンの内容を使ったスライドを少し載せながら簡単にまとめてみます。

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ベナンに来て1年が経ち、残りの任期は1年となりました。私の活動目標は野菜農家の収入向上です。

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ジュグーはベナン北西に位置する地方都市で、雨季と乾季が年に1回ずつあるサバンナ気候です。年間平均気温は26℃、平均年間降水量は1242mmです。

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活動1「ジュグーの農業と生産者を知る」乾季の間、農家さんと働きました。

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ジュグーには10の野菜農家グループがあり、174名の生産者(男性113名、女性61名)が所属しています。ジュグーの中心部には4つのグループがあるので、それぞれ訪れました。一緒に働かせてもらっていたのはペトニポホというグループです。

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農家さんたちは低湿地帯で野菜を作っていたので、雨季が来るとこのように畑に水が浸入してしまい、乾季のように働くことができなくなってしまいました。

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というわけで、雨季の間に農業専門学校に3度行きました。野菜だけでなく、作物や畜産などあり勉強になりました。

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それから、農家グループのためにジェンダーの講習会があったので4つのグループに行って手伝ってきました。

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活動2「新規野菜の導入」収入向上のために3つの野菜を育ててみました。作るのは簡単でしたが、食べ方がわからないと言われてしまい販売が難しかったです。

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なので、ベナン人の家に行って一緒に食べました。ラディッシュとダイコンは薄く擦ってスパゲティと食べられることがわかりました。

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空芯菜はソースにすることができ、パットと呼ばれるベナンの主食(トウモロコシ)と食べられることがわかりました。

まとめ。活動1ではジュグーの農業を学び、農家さんとの繋がりができました。活動2では3つの野菜を作り、調理方法を学びました。

2年目の活動について。乾季にはラディッシュとダイコンを育てて販路を開拓し、農家さんへ普及したいと思います。雨季には家庭菜園に空芯菜を広めたいと思います。

 

ざっくりこんな感じ。久しぶりに人前で話したので緊張しました。私は普段スイッチオフみたいなテンションで生きているので、ちゃんとプレゼンしたら調整員に「やればできるんだね」と驚かれました。たまにはスイッチオン。そんな感じでなんとか中間報告を終えたので、残るは1年後の最終報告会のみです。あと1年も仕事したり遊んだりしながら楽しく過ごします。来年の雨季はガーナとガボンに行くぞー!

健康診断、減量、そして再検査。

しばらく更新していませんでした。本格的に農家さんも働いていなかったので、私も最近はフラフラしておりました。

さて、赴任して1年経った頃に全隊員が健康診断を受けます。私は2017年10月にベナンに来たので、8月にその健康診断が経済首都コトヌーありました。一般的な健康診断で、血液検査、検尿、検便、胸部レントゲン、診察等が2日かけて行われました。その結果…血液検査で引っかかってしまいました。中性脂肪値が高い。なぜだ。お医者さんも「その身体で?日本でも指摘されたことある?てか何食べて暮らしてんの?」敗因は7月のモロッコ旅行での食べ過ぎとコトヌー滞在中の食べ過ぎかなぁということで、来月また来なさいと言われてしまいました。コトヌーからバスで10時間かかる場所に住んでいるので、行くのが面倒だし再々検査は避けたいところです。というわけで食生活の改善を始めました。今度は絶対に引っかかりたくないので、とりあえず食事を減らしました。

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自分がどのくらい食べているのか把握するため、アプリを使ってみました。

食事記録カロリー計算 Runtastic Balance

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この類のアプリを5つほど試しに使ってみたのですが、こちらのアプリが良かったです。無料版のままでも問題なく使えるのでおすすめ。欠点はインターネットが無いと使えないところ。

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ある日の昼食。生の人参に味噌マヨです。おいしい。

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これは先輩方の送別会があった日。普段はあまり食べませんが、パーティーがある時はしっかり食べてお酒も飲みました。基本は食べなかったので結果的には1ヶ月で3キロ減りました。ダイエットって簡単ね。

そして1ヶ月後、コトヌーへ。血液検査を受けてきました。結果は…中性脂肪値はクリア!しかし、貧血と寄生虫の数値が高くはみ出てしまいました。寄生虫に関してはJICAの健康管理員さんが今まで見た中でなんと最高の数値ということでした。なんてこった。前回は何事も無かったので、この1ヶ月で何かが私の身体に住み着いたようです。下痢もなくリンパの腫れもないのですが、とりあえず薬を出されました。

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左から虫下し、抗生物質、鉄のサプリメントです。

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薬を飲めばOKということなので、この日からために溜め込んだ食欲を爆発させました。ビールも飲んでいないのにこのカロリー量。2日間食べ続けたらだいぶ食欲は落ち着きました。3キロ落ちた分を徐々に取り戻していきたいと思います。

 

今回のコトヌー滞在中、もう1つ病院に行かなければならない用事がありました。婦人科です。まだ東京に住んでいた頃、区の子宮頚がんの検診に行ったところ精密検査の指示を出されました。その後、技術補完研修中に精密検査を受けにいくとCIN1(子宮頸部上皮内腫瘍・軽度異形成)と診断され、3ヶ月に1回の定期検診の指示。派遣前訓練中に検査を受けると、病名は同じで1年に1度の定期検診と言われました。CIN1は消失する確率の高い病気です。協力隊の試験を受ける時に既往症がある場合は事前に申し出なければならず、合格後も新たに病気が発覚した場合は言わなくてはなりません。病状によっては派遣ができなかったり、国を変更する必要があったりするからです。私は幸いにも国はそのままで「健康条件付き派遣」ということになりました。任期中は病院で指示された通り検査を受けなくてはなりません。そんなわけで今回は1年に1回の定期検診を受けてきました。健康管理員さんが付いてきてくださり、婦人科の先生も陽気な女性でしたので安心でした。日本のような素晴らしい設備ではありませんが、ベナンでもそれなりの検査を受けることができます。検体はフランスへ送られ、2週間後に結果が出るということです。意外としっかりしていることに驚き。良い結果が出ることを祈ります。

さて、私の持病について長々と説明したわけですが、子宮頚がんの検診とか恥ずかしいし不安だから行きたくない!と思っている人は多くいると思います。私もその1人でしたが、海外へ行くことをきっかけに受診を決めました。見えないところに何があるか分からないので、特に検診を安く受けられる方々は受診をおすすめしますよ。行ってみたらそんな怖いもんじゃないです。長々失礼しました。それでは。

空芯菜でベナン食作り

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8月はほとんど毎日雨が降っていました。これから乾季に向かうので、9月は雨が減るのかと思われます。協力隊2年間のうち、やはり最初の1年は天気を知り現地の農業を知るという事しかできません。任地であるジュグーは低湿地帯(bas-fond)と呼ばれる低い土地で野菜が栽培されています。そのため、雨季の現在そこで働いている人はとても少ないです。私はというと、農家さんが全然いない中何をしていいかも分からず、自宅で過ごす毎日です。まあ外に出れば何かと新しい発見があるのですが、畑は水浸し、農家さんは居ないとなると野菜隊員らしい活動は難しいです。きっと、もっとやる気のある隊員なら職種関係無しに他の活動をするのかもしれませんが。

さて、そんな水浸しの畑で生き残っている私が育てた空芯菜空芯菜はとても簡単に育つ野菜です。ジュグーより南の街バシラで活動していたO隊員(帰国済)の影響を受け、私もなんとなく育てていました。しかし、ベナン人は「食べ方が分からない」と言ってなかなか食べてくれませんでした。「他の野菜のようにソースにしてみて」と言ってもなかなかいい反応ではありません。そして、私はベナン食の作り方を一切知らないので家で試すこともできません。こりゃ困った、と思いましたがとりあえずその活動は放置していました。そこで、ここ3,4ヶ月暇な時間を過ごしている中で考えました。「そういえばO隊員に頼まれて空芯菜の種子をあげたベナン人家族があった。種子を欲しがるということは育てて食べるのだろう。きっと雨季に種子をまくだろうから、その頃様子を見にいこう。」

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8月某日、その家に行ってみました。空芯菜発見!1ヶ月ほど前に種子をまいたそうです。この家のお母さんに、「今週中に空芯菜を収穫して持ってくるからソースの作り方を教えて」と頼み、この日は帰りました。これでベナン人の口に合う空芯菜料理が知れる!と思い、その5日後空芯菜を持っていきました。のんびりやですみません。

 

というわけで教えてもらった空芯菜ソースの作り方!

材料

空芯菜

・トウガラシ

・魚(オクラや肉など入れたいもの)

・ポタス(黒いやつ、よく分からない)

・ムタード(黒い納豆みたいなもの)

・塩

・ブイヨン

・水

作り方

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1.鍋にお湯を沸かしておく。


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2.鍋にポタスを入れる。(ポタスを入れないと美味しくないらしい)


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3.空芯菜を洗って細かめに切り、鍋に入れてしばらく茹でる。(ベナンでは野菜の茎は食べないので葉だけ)

 

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4.トウガラシを切って鍋に入れる。(お好みです)


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5.魚を鍋に入れる。(ベナンでは揚げ魚がよく売られており、それを使用)


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6.水に溶かしたムタードを鍋に入れる。

7.塩とブイヨンを鍋に入れ味を整える。

 

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8.煮詰める。

 

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完成!ベナンの主食パット(トウモロコシ粉の練り物)と合わせていただきます。私の口にはしょっぱすぎますが美味しいです。

聞くと、他の野菜で作るソースもやり方は全て同じだそうです。次の畑シーズンではしっかり作り方を説明してそのへんの人に配ってみようと思います。こうやって先輩隊員のやってきたことを繋げられることは嬉しいです。空芯菜の普及も活動の1つになればと思います。

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この家では私が料理を教えてもらっている間に2頭のヤギが2頭ずつ子どもを出産。満月の前日の出来事でした。