ハナノサキカタ(旧名:道産子、ベナンへ行く。)

ベナン・ジュグーでJICA青年海外協力隊・野菜隊員として活動。(2017.10〜2019.10)

第2号報告書

こんにちは。最近ブログの更新頻度が低下しています。生活に疲れてきたベナン生活6ヶ月目です。暑い。食欲がない。そして、一番お世話になっていた農家さんが少し離れた村へ行ったっきり帰ってこない。たぶんもうしばらく帰ってこない…寂しい。これから新しいパートナーを探します。そういうわけで、最近はあまり畑に長時間滞在せず、自宅でのんびりしたり、近くの村に行ったりしてふらふらしています。こんな時期があってもいいよね。

 

さて、ベナンに来て6ヶ月、ジュグーに来て5ヶ月ということで、ボランティアの義務である第2号報告書と活動計画表をJICAに提出しました。映画でも観ながら書こうと思ったら、ついつい3本も観てしまいました。まず、フランスの「最強のふたり」という映画を観ました。実話が元になっている映画で、非常におもしろい映画でしたが、フランス語は全くわからないので字幕をずっと見ていました。報告書が進むわけないですね。2本目は反省を活かして日本の映画「ツレがうつになりまして。うつ病の夫と漫画家の妻の物語。絵日記がかわいい。そして3本目は日本映画「変身」ハラハラ。脳移植をする映画で、これはちょっと怖かった。。そんなこんなで、パソコンの画面の半分を映画、半分を報告書にして、楽しく報告書を書き終えました。とても楽しいですが、みなさんにはオススメしません。

 

前置きが長くなりましたが、第2号報告書と活動計画表を公開したいと思います。今回の報告書はおそらく分かりやすいと思うので、書いたものをそのままここに貼り付けようかと思います。字数制限は要約800字、項目500字です。

 

◆報告書要約
ジュグー市に配属されて5か月が経過し、広大な低湿地帯に少なくとも45名の野菜農家が確認できた。低湿地帯の中でも高低差があり、3月の大雨で畑が水没した農家も居れば、乾ききった畑に恵みの雨が降り注いだ農家も居る。畑が水没した農家は別の畑(ジュグー市外の村やジュグー市内の高地)で働いている。これまでは農家の巡回というより、同じ地域に毎日足を運び農作業を手伝い、ジュグーの野菜栽培を学びながら農民との関係を構築してきた。今後は行動範囲を広げ、活動をしていきたい。
本報告書には、まず、活動計画について項目1に記述した。ジュグーには多くの農家がおり、そのほとんどの人がキャベツを主に生産している。しかし、市場価格の変動により収入が不安定である。そのため、野菜農家の収入向上を活動目標とし、4つの活動を掲げた。
次に、配属先に関して項目2及び項目3に記述した。配属先であるジュグー村落開発支所は無いため、配属時はジュグー市役所付ということであったが、配属3か月目からは農業省ドンガ県事務局に通っている。事務局との関係はまだ浅く、相談できる相手がいなかったため活動計画策定に向けた配属先との意見交換は実施していない。しかし、各部署を転々とたらい回しにされながらもフランス語の添削を引き受けてくださる人を見つけることはできた。農業省ドンガ県事務局についてはまだ分からないことが多いが、分かっていることだけ記した。
最後に、受入国(任地)の人々の日本に対する意識と食事について項目4、項目5に記述した。任地の明るい人々とおいしい食事に支えられ、毎日活動することができている。

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1.活動計画の説明
野菜農家の収入向上のため、活動計画に4つの柱を立てた。1つ目は地域農業・野菜農家の現状把握である。これまで行ってきた活動でもあるが、最も重要な活動であると考えるため今後も継続するつもりである。また、農家数や圃場の場所を明確にするために地図を作成する予定である。2つ目は既存野菜栽培の改善である。今のところ実施していないが、トマトやトウガラシが対象となると考えている。農家を巡回しながらよい栽培方法を探していくつもりである。3つ目は新規野菜の導入である。これまで農民と共に実験圃場にてラディッシュ、ダイコン、空芯菜、ナス、ピーマンを育て販売した。現在は空芯菜、ナス、ピーマンの栽培を継続して行っており、今後も他品目の栽培を試すつもりである。4つ目はコンポストの導入である。コンポストを使用している農家もいるが、それほど多くない。コンポストの知識は多くの農民が持っていると思われるため、その効果が分かり、作成方法が簡単であれば普及できるのではないかと考えている。実験圃場ではボカシ肥料を使って野菜を育て、その効果を確認できたため、コンポストと合わせてボカシ肥料も普及できたらよいのではないかと考えている。

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2.活動計画策定に向けた配属先との意見交換
特になし。と書いたら調整員から電話がかかってきてしまったため無理やり書きました。事実とは異なりますが、以下の通り。

配属先の目標は当初「ジュグーの野菜農家の生活向上」としていたが、配属先の助言により「ジュグーの野菜農家の栽培技術向上」とした。活動に関しては、既存野菜栽培の改善について、品目を絞るのがよいと助言を受けたため、トウガラシ及びトマトとした。また、新規野菜の導入について、バシラで活動していた隊員が空芯菜を栽培・普及することができたため、ジュグーでも空芯菜を普及したらよいのではないかとの助言を受けた。

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3.配属先の動向
配属時、農業省の組織再編により配属先であったジュグーSCDA(村落開発支所)は消滅しており、その建物は建て替え工事中だった。配属から2か月が経過した年明け、工事が終了し、ドンガDDAEP(農業省県事務局)が開所した。今後、農業系隊員が配属されるのはATDA(村落開発支所)という組織になるが、ジュグーにはまだ無い。そのため、1月からはドンガDDAEPにお世話になっている。しばらくドンガDDAEPで過ごすことになりそうなので、この組織について分かっていることを記述する。DDAEPは農業省の県事務局であり、ベナン国内の全12県に1つずつ配置されている。現在、ドンガDDAEPには68名が所属し、中には元SCDA職員も居る。財政部、開発推進部、生産管理部、企画調整部、調査統計・モニタリング部の5つの部から成り、各部に2~4の課がある。事務局に通いデスクワークをする職員と現場で働く職員が居る。事務局で働いている職員は30名程度で、いつもパソコンに向かっている。現場職員はいつどこにいるのか不明なので詳細は分からないが、牛に注射をしている職員が居ると聞いた。今後、現場職員について詳しく知っていきたい。

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4.受入国の人々との交流(日本と日本人に対する意識について書く欄)
任地の人々は、日本という国名を知っている人がほとんどである。日本について学校で勉強するらしく、「北海道、本州、四国、九州」と言える人がいたり、過去の隊員が教えたであろう「おはよう」「またね」等の挨拶を覚えている人がいたりするが、日本=中国だと思っている人が多い。中国語を馬鹿にしたような謎の言語で話しかけてくる人がよくいるが、とても失礼な言動であり、不快である。私は日本人なのでまだいいが、これが中国人ならより不快に感じるであろう。しかし、彼らは決して中国人や日本人のことが嫌いなわけではない。家から一歩外に出ればすぐ誰かに名前を呼ばれたり、挨拶されたりする。日本人(白人)はお金持ちと思われているため、お金や食べ物、服、ペットボトル等を求められることも多いが、本気で言っている人は少なく、挨拶のようなものである。それどころか、私が逆に食べ物や飲み物をいただくことが多い。ジュグーは現在も過去も隊員が多いため、日本人へのイメージはかなり良いと感じる。これまで過去の隊員と関わってきたという看護師や教師、警備員に会ったが、現在もジュグーに隊員がいることを喜んでくれている。

 

5.受入国の食事(項目5の内容は複数あるうちから選択できる)
ベナンは、朝食は9~10時、昼食は14~15時、夕食は9~10時というように、日本と比べると食事を摂る時間が遅い。また、食堂や路上販売が多く、外食をする人が多い。主食はコメ(赤飯のような豆ご飯、白米、トマト混ぜご飯、餅状にしたもの)、

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トウモロコシ(粉を練ったもの)、

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ヤムイモ(ふかしたもの、素揚げ、餅状にしたもの)

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である。それらに落花生ソースやトマトソース、油などを付けて食べる。そして、予算次第であるが、チーズや卵、魚、肉(ヤギ、ヒツジ、トリ)を煮たり揚げたりしてトッピングする。しかし、これらはお金がかかるため、子どもの口には入りにくい。外食は1食約100フランCFA(20円)~500フランCFA(100円)である。最もよく食べられているのはトウモロコシだと思われる。街には製粉所が多くあり、毎日たくさんのトウモロコシ粉が生産されている。人々は食に対して保守的であり、新しいものには消極的である。しかし、調理方法を教えて写真を見せたり、目の前で食べてみせたり、「あの人は食べた」と言ったりすると挑戦する傾向にある。新規野菜の導入に向けて、任地の食についてより深く知っていきたいと思う。

 

以上、第2号報告書でした。たくさん休憩したので、5月からは活動していきたいと思います。頑張ろう。あ、もうすぐラマダン…